司馬遼太郎先生の言葉

ここは、神戸のメリケンパーク。 最近、神戸と大阪も自由にいけない休日が続き、久しぶりに、神戸の街を愛犬と散歩。天気も良く、いつもだったら春を迎えるのに気持ちのいい季節なのに、とても複雑な気分です。
神戸の震災のモニュメントもあり、三方に海、そして背中に六甲山、まさしく神戸という雰囲気が味わえる公園です。
メリケンパーク
  この前日に、スカイプでフランスのプロデューサーと企画の話をしていましたが、新型コロナでヨーロッパも正に大変な時期、「パリから避難してフランスの田舎へ移動しています」と言っていました。 僕達が、未だ体験した事の無い、未知なる戦いが始まっている。そんな気持ちで話をしていました。

『二十一世紀に生きる君たちへ』 司馬遼太郎先生が、未来の子ども達に向けて書いた作品。

その中に書かれてある言葉です。

私は、人という文字をみるとき、しばしば感動する。 斜めの画が互いに支え合って、構成されているのである。 そのことでもわかるように、人間は社会を作って生きている。 社会とは、支え合う仕組みということである。 原始時代の社会は、小さかった。家族を中心とした社会だった。 それが次第に大きくなり、今は国家と世界という社会を作り、 互いに助け合いながら生きているのである。 自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようには作られていない。 このため「助け合う」ということが、人間にとって大きな道徳になっている。 助け合うという気持ちや行動のもとは、いたわりという感情である。 他人の痛みを感じることと言ってもいい。優しさと言い変えてもいい。

この文章の結びに、

『君たちさえ、そういう自己をつくっていけば、 二十一世紀は人類が仲良しで暮らせる時代になるにちがいない』と。

  最近、世界のニュースを見るたび、司馬先生のこの言葉を突き付けられている気がします。 田中光敏拝