2019年末のご挨拶

あっという間に、年末ですね。今年は、本当に様々な事があった1年でした。

今年の初めには、3年前に進めていた映画が、クランクインするのか?しないのか?で始まり、結果としてはクランクインせずでしたが、春には、嬉しい事に5年前に作った、映画「サクラサク」が台湾で1ヶ月16館で上映。

7月にはカナダ、10月にはフランスパリで、映画「海難1890」の上映。

夏には、時代劇の準備から秋クランクインなど、ジェットコースターに乗った気分で、過ごしてきました。

本当に、楽しいこと、嫌な事があった1年でした。

秋に、クランクインした京都の撮影所の現場に、北海道の浦河町長さんや、えりも町の町長さん、様似町や広尾町の副町長さん、役場の方々が、陣中見舞いに来てくださいました。

本番中、皆さんと少ない時間でしたが話ができました。

北海道日高、トンガリロード。えりもを中心に、日本有数の美しい風景と、緑の牧草地帯。この日高、えりもで起きた、奇跡の物語を映画として実現しょうと、この四町が中心となって、いま、一緒に頑張っています。

本当に、北海道から来ていただき、ありがとうございました。

映画「北の流氷(仮)」は、北海道えりもにある実話をもとに、とても、感動的で、次代に残すべき物語だと思います。僕も是非頑張って実現出来たらと考えています。

この映画の概要は後ほど。

えりも町から、とんでも無く大きな銀聖と昆布が届きました。ありがとうございます。故郷の味噛みしめていただきます。

映画「北の流氷」仮題

北海道えりも岬。そこに太平洋を臨むかのように、神々しく屹立する山、アポイ岳がある。アポイは、アイヌ語でアペ オ イ。火のあるところ、の意味。

アイヌは、すべての自然、山、大地、海、川、そしてすべての生きとし生けるものに、カムイと呼ばれる神が宿ると信じ、カムイに感謝を捧げ暮らして来た。

しかし、極東の地、北海道にも産業革命の風が吹き始めた明治末期。

襟裳の地から、カムイが消えた。

森は枯れ、大地は砂に覆われた。

海は赤く濁り、かつて豊穣の海に育てられた良質の昆布は、泥昆布に姿を変えた。

砂漠と化した、荒凉の大地に暮らす人々を人は、砂食い、と呼んだ。

貧しかった。

夢や希望を誰も持てなかった。

今では、襟裳の緑化事業は世界からも注目され海外から視察に訪れるまでとなっている。

ひとりの若い漁師と仲間の漁師たちの、「故郷を甦らせたい」という強い思いが、絶望していた町民を動かし、やがて北海道や国を動かした。

山が豊かになると、海が豊かになる。

人が自然を守り、自然が人を守る。

積み重ねるチカラは、奇跡を起こす。

長い時間と強い信念で実現させた人々の物語である。

今年もたくさんの応援をありがとうございました。

良いお正月をお迎えください。

田中光敏拝